モンベルのスノースパイク10についてレビューします。実際にスノースパイク10を使用して感じた使用感、良い点・悪い点、サイズ調整や装着方法などをレポート。アイゼンとスノースパイクとの違い、同じモンベルのスノースパイク6との比較もあわせて紹介。
- モンベルのスノースパイク10の使用感について知りたい
- スノースパイク10のサイズ調整・装着方法について知りたい
- スノースパイクとアイゼン買うならどっち!
- スノースパイク6とスノースパイク10買うならどっち?
モンベル スノースパイク10 使用感 レビュー
モンベルのスノースパイク10を実際に使用して感じた使用感について、良いと思った点と悪いと思った点のそれぞれをレポートします。
スノースパイク10の良い点・満足な点
スノースパイク10を使ってみて良いと思った主な点は以下の通りです。
それぞれの点の詳細について説明します。
スノースパイク10の重量は両足で562g。一方、モンベル・カジタックスの12本爪アイゼン(LXT-12)の重量は825gです。12本爪アイゼンに比べて30%以上軽いです。
軽いだけじゃなくて収納サイズ(11×22×9cm)も極めてコンパクト!グリベルの12本爪アイゼンと比べるとそのコンパクトが際立ちます。
積雪の有無が不明で念のために携行する際にはもちろん、積雪のある地点までのアプローチの距離が長い場合などに軽量・コンパクトというのは極めて大きなメリットです。
軽アイゼンの類は6本爪或いは8本爪が多いですが、スノースパイク10は爪が10本あります。10本爪の場合爪が靴底の全面に配置される格好となり靴底のどの位置でもグリップを効かすことができます。6本爪や8本爪に比べて格段に安心感が得られます。
10本爪ということで6本や8本の軽アイゼンとは異なり前爪があります。
ただ、スノースパイク10の前爪はアイゼンの前爪とは異なり靴の前方に突き出ていません。
前爪が靴のアウトソールの下に収まるようにデザインされているのです。ですから、平坦な場所や下りで前爪が邪魔に感じたりすることはありません。また、前爪をズボンの裾やゲイターに引っ掛ける心配が低減します。
一般的なアイゼンはトレッキングシューズや低山向きの登山靴には装着できません。トレッキングシューズや低山用登山靴はソールが柔かく歩行中にソールが曲がることでアイゼンが外れてしまうのです。アイゼンを装着できるのはソールの硬い(曲がらない)アルパイン用登山靴のみです。
その点、スノースパイク10は一般的なアイゼンとは異なりフレックスジョイントプレートという柔軟性の高いプレートを使用しているのでトレッキングシューズやスノーブーツ等ソールの柔らかい靴にも装着することができます。
ラチェットバックルと呼ばれるモンベルが独自で開発したラチェット式のバックルでストラップの締め込みがラクにできます。締め付けレバーを手前に引くだけでストラップを締め込むと同時にロックが掛かかる仕組みになっています。締め込み具合の微調整も簡単。ストラップの解放もワンタッチで可能。
スノースパイク10の悪い点・不満な点
スノースパイク10の使用感に関しては概ね満足しています。機能面や使い心地の面で直接不満を感じている点は正直に言ってありません。
ただ、今後長く使っていくうで不安に思う点が2点ほどあります。
スノースパイク10の底面には、雪が団子状に付着するのを防止するためにアンチスノープレートというプレートが装備されています。
グリベルのアイゼンにも同じようにアンチスノープレートが付いています。グルベルのアンチスノープレートは柔軟性の高いゴムのような素材を使用しているのに対してスノースパイク10の方は硬い樹脂のような素材でできています。
雪の上を歩くだけなら問題ないのですが…。時には雪のない岩や石の上を歩くことを強いられます。グリベルのアンチスノープレートは柔軟性が高いので岩の上を歩いても摩耗したり破損したりするおそれは感じられないのですが…。モンベル スノースパイク10のスノープレートは硬くて柔軟性に欠けるため岩や石とぶつかることで摩耗・破損する心配が拭いきれません。
ラチェット式バックルはストラップを締め込んだり解放したりする際に非常に便利な機構であることは疑いがありません。
ただ、機構が通常の留め具に比べて複雑であることから故障や破損の心配がつきまといます。当然安全性のテストはしていることでしょうけど…。故障や破損がないとは言い切れません。
ちなみに、グリベルのアイゼンではストラップの留め具にいまだにダブルリングを使用しています。ストラップの締め込みや解放に若干手間は掛かりますが、このダブルリング方式なら故障や破損のおそれはほぼ皆無といえます。
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モンベル スノースパイク10 スペックと特徴、サイズ・装着方法
モンベルのスノースパイク10の基本仕様・特徴、サイズ調整や装着方法について解説します。
スノースパイク10の基本仕様と特徴
中級山域までの冬山トレッキングに適したスノースパイクです。8本爪のアイゼンに前爪2本を備えた仕様で、雪面で優れた蹴り出し効果を発揮します。前爪は小振りな形状なので、スパッツやブーツに引っ掛かりにくく、ハイキングやトレッキングでも快適な足運びです。はじめてアイゼンを装着する方にも使いやすくなっています。
mont-bell公式
スノースパイク10のサイズとサイズ調整方法
スノースパイク10には、S/M、M/L、L/XLの3つのサイズがあります。あわせる登山靴のサイズ対応表は以下の通りです。
登山靴とのマッチングを確認する際に注意すべきこと点はソールの長さの測り方。アウトソール全体の長さではなく上図のAの長さを基準にサイズを選ぶことになります。
スノースパイク10のサイズ・長さを使用する登山靴の長さに合わせる調整方法はいたって簡単です。以下の手順に従えば1~2分程度で完了します。
※靴の長さに合わせる際には、下画像のようにスノースパイクと靴の前後に隙間が無いように調節しましょう。
スノースパイク10の装着方法
スノースパイク10は左右が決まっています。ラチェットバックルが外側にくるように装着します。
上図左側のように、ループ状になったストラップの中に足をいれて登山靴に装着します。
登山靴をスパイクの上に載せたらストラップの先端のベルト部分をラチェットバックルに通します(上図右)。
ラチェットバックルの締め付けレバーを手前に引くと装着用のストラップを締め込みことができます。ベルトを締め込み過ぎた場合には締め付けレバーの両サイドの解放レバーを起こすことでベルトを緩めることができます。
スノースパイク10 vs アイゼン買うならどっち?両者の違いは?
モンベルのスノースパイク10は軽アイゼンではありますが10本の爪を持つことから通常のアイゼンに極めて近い形態をしています。
そのためスノースパイク10か通常のアイゼン(12本爪或いは10本爪)のどっちを買うかで迷っている人も多いのではないでしょうか?
モンベルのスノースパイク10と一般的なアイゼンの主な違いは以下の2点になります。
既に紹介したようにスノースパイク10の前爪はアイゼンの前爪に比べて短く、登山靴のソールの下に位置するようになっています。
スノースパイク10の前爪は、歩行時の蹴り出し時のグリベルを確保することが目的であり、アイゼンの前爪のようにクライミングや登攀目的のためではありません。
この点についても既に説明したように、一般的なアイゼンであれば装着できる登山靴は靴底の硬いアルパイン用の登山靴に限られます。他方、スノースパイク10ではアルパイン登山靴に限らずトレッキングシューズをはじめとする靴にも装着可能です。
厳冬期の本格的な雪山登山やアイスクライミングなどをやるつもりはない!中級山域・低山での雪山トレッキング、スノーハイキングを楽しみたいという人には軽くて歩きやすいスノースパイク10がおすすめです。
一方最初は低山でのスノーハイキングからはじめてゆくゆくは冬季のアルパイン登山にも挑戦したいという人には対応範囲の広い12本爪アイゼンがおすすめです。
スノースパイク10とスノースパイク6買うならどっち
モンベルのスノースパイクのラインナップにはスノースパイク6という6本爪の商品も用意されています。スノースパイク6もスノースパイク10同様に軽アイゼンというジャンルに分類されます。
これから、低山での雪山トレッキング、スノーハイキングを楽しみたいという人には10本爪のスノースパイク10がおすすめです。
スノースパイク6とスノースパイク10を比較した場合にスノースパイク10をおすすめする理由は、スノースパイク10の方が歩きやすくて安全だからです。
6本爪の方が爪の数が少なくて歩きやすいと思われるかもしれませんが、フラットフッティングという足裏全体で地面をとらえる技術が必要となるため馴れが必要になります。
スノースパイク10は、つま先側にも踵側にも爪が配置されているので雪山で安全に対応できる状況は6本爪に比べて広くなります。
確かに、スノースパイク6の方が軽量・コンパクトで携行性の点では優れていることは否定できません。しかし、スノースパイク6 クイックフィットとスノースパイク10との重量差は僅か42gです。
歩きやすさや安全性、対応力の広さなどを総合的に考慮すればスノースパイク10をおすすめします。
今回はモンベルのスノースパイク10に焦点を当てましたが、冬山では積雪や凍結の状況次第ではアイゼンやスノースパイクよりも使い勝手の良いアイテムもあります。
積雪が浅くところどころ地面が露出していて薄氷で覆われているような状況ではアイゼンやスノースパイクよりもスパイクチェーンの方が歩きやすかったりします。
▼スパイクチェーン特集▼
雪山トレッキング・スノーハイクを安全・快適に楽しむために
雪山トレッキング、スノーハイキングを安全・快適に楽しむためには、今回紹介したスノースパイクの他にもトレッキングポール、ゲイター/スパッツなどの装備が必要になります。
また、服装・ウェアでは汗冷え対策が特に重要になります。
【まとめ】モンベルのスノースパイク10はこんな人におすすめ
最後にモンベル スノースパイク10のレビューのまとめを…
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