主にテント泊登山で使用するシートゥーサミット(SEA TO SUMMIT)のウルトラライトマットについてレビューします。重量や断熱性を示すR値などのスペック紹介からウルトラライトマットの長所・短所、寝心地やサイズ感などについてレポートします。
- SEA TO SUMMITのウルトラライトマットってどうなの?
- ウルトラライトマットの良い点・悪い点を知りたい
- テント泊登山に適したエアーマットを探している人
評価の詳細については本文で…(耐久性については未知数なので星3つとしときました)
シートゥーサミット ウルトラライトマットについて
まずは、今回紹介するシートゥーサミット(SEA TO SUMMIT)のウルトラライトマットのスペックと特徴を紹介します。
ウルトラライトマットのスペック
ウルトラライトマットのスペックの詳細は以下の通りです。ウルトラライトマットには、XS(X-スモール)、S(スモール)、R(レギュラー)、L(ラージ)の4つのサイズがあります。
XS(Xスモール) | S(スモール) | R(レギュラー) | L(ラージ) | |
重量 | 296g | 345g | 395g | 495g |
使用サイズ | 128×55㎝ | 168×55㎝ | 183×55㎝ | 198×64㎝ |
厚さ | 5㎝ | |||
収納サイズ | φ7.5×17cm(レギュラー) | |||
R値 | 1.1(ASTM F3340-18) | |||
素材 | 40Dリップストップナイロン | |||
付属品 | エアストリームポンプスタッフサック、リペアキット |
重量について
上記スペック表で紹介した重量はいずれもマット本体のみの重量になります。ポンプ付きのスタッフバグの重量は約37gあります。
ウルトラライトライトマットのR値
アウトドア用マットの断熱力を示すR値については2020年より各メーカーで採用された統一規格『ASTM F3340-18』で1.1になります。
ASTM F3340-18のチャートによると、睡眠時体温の高い人(WARM SLEEPERS)であれば、地表に霜が降りる程度の冷え込みまでなら使用できそうです。睡眠時体温の低い人(COLD SLEEPERS)なら夏山での使用に限定した方がよさそうですね。
素材の40Dリップストップナイロン
軽量性を重視したエアーマットは生地が薄いため穴があきやすいと言われます。その点ウルトラライトマットで使用されている40Dリップストップナイロンはモンベルの山岳テント ステラリッジ用のグランドシートと同じ繊度(デニール)です。ちなみにステラリッジのフロアで使用されているのは30Dナイロン。繊度だけみればステラリッジのフロア以上に強度があるということになります。
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シートゥーサミット ウルトラライトマットの良い点
シートゥーサミットの超軽量エアーマット、ウルトラライトマットを実際に使用してみて良いと思った点は以下の通りです。
最軽量かつ最小サイズ
とにかく軽いです。シートゥーサミットのラインナップの中では最軽量かつ最小サイズのマット!ニーモやサーマレストといったライバルの軽量マットと比べても引けを取りません。
エアーを注入するためのポンプとして利用できるスタッフバッグ込の重量(実測値)は309gです。
クローズドセルマットの代名詞とも呼べるサーマレストのZライトソルと重量的には同等ですが収納サイズはZライトソルの1/3程度になります。
文字通り500mlのペットボトルサイズです。
主にキャンプで使用する一般的なエアーマットと比べても格段に小さいです。
リュックに外付けする必要なし!
Zライトソルをはじめとするクローズドセルマットはリュック内に収納するには大きすぎるためリュックに外付けすることになりますが、ウルトラライトマットならリュックの荷室に容易に収納できます。狭い登山道、急峻な岩稜帯、難所を通過する際にも邪魔になったりしません。携帯性という点ではクローズドセルマットの数倍優れています。
テント泊登山・バックパックキャンプで大活躍
最軽量・最小クラスのエアーマットだから装備の軽量・コンパクト化が要求されるテント泊登山或いはバックパックキャンプなどの際には本当に重宝します。
セットアップ&撤収が容易
エアーマットのセットアップ(設営)は付属のポンプで3-4回程度空気を注入するだけで完全に膨らみます。時間にして1~2分程度。バルブに逆止弁が付いてるため一度注入した空気がバルブから漏れ出すことはありません。
付属のポンプで空気を注入する手順は以下の通りです。
また、撤収時には排気バルブを解放することでイッキに空気を抜くことができます。時間にして僅か数秒。
空気を抜いたら折り目に沿って畳めばスタッフバッグに収納できるコンパクトサイズになります。
設営・撤収ともにストレスに感じることはありません。
寝心地もまずまず
一般的なエアーマットに比べて軽量・コンパクトなだけに寝心地・快適性の面が心配になりますが…。ドット状の小さな気室がバネのように機能する『エアスプラングセル』構造のおかげで思いのほか快適な寝心地でした。
価格もリーズナブル
サーマレストのネオエアーやニーモのテンサー等山岳用超軽量エアーマットの価格と比べるとリーズナブルと評価することができます。
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断熱性においてはサーマレストに劣りますが、無雪期での使用に限定すれば納得のお値段です。
ウルトラライトマットの悪い点(短所)
シートゥーサミット ウルトラライトマットの短所としては以下の点を挙げることができます。
エアーマットゆえにパンクが心配
エアーマットですから生地に穴があいたらマットとしては機能しません。既に説明した通りシートゥーサミットのウルトラライトマットでは40Ⅾリップストップナイロンという比較的丈夫なナイロンを使用しているので簡単にはパンクしないとは思いますが、エアーマットゆえにパンクの心配がつきまといます。
ただ、パンクしたとしても修理方法は付属の補修パッチを貼るだけなので現場で慌てる必要はないかと割り切っています。
ちなみにパンク修理の手順は以下の通りです。
エアーマットゆえに加水分解が心配
エアーマットですから加水分解による溶着の剥離によるエアー漏れの心配があります。その点、シートゥーサミットのウルトラライトマットでは『エクストルージョンTPUラミネーション』と呼ばれるコーティング&抗菌加工により加水分解による剥離の可能性を抑え込んでいます。
また、付属のエアストリームポンプサックを利用することで加水分解の原因となる人間の呼気がマットに直接触れることを防止することができます。
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SEA TO SUMMIT ウルトラライトマット XSのサイズ感は?
ワタクシが使用するウルトラライトマットは一番小さなサイズのXS(X-スモール)です。XSの使用サイズの寸法は128㎝×55㎝です。ちなみにワタシの身長は約163㎝、体重は約60㎏。XSサイズでは短いのではと心配される人のためにウルトラライトマット XSのサイズ感についてレポートします。
身長163㎝に対してマットの全長は128㎝ですから当然身体はマットからはみ出します。単純計算するとマットの長さが35㎝(163-128)足りないことになりますが…。35㎝程度のショートなら全く問題ありません。
マット以外にも枕を使用するので頭をマットの上に置く必要はありません。頭部をマットに載せるスペースは不要なので足側でのショートは15㎝~20㎝程度です。足側のショート部分にはリュックを置いてその上に足を載せます。こうすることで35㎝のショートをカバーすることができます。
頭の側にリュック等クッションになるものを置いて頭の位置をより上方にズラせば足側のショートはほとんど気にならなくなります。(↓画像)
ウルトラライトマットのXSを購入する以前はサーマレストのZライトソルのSサイズを使用していました。Sサイズのサイズは130㎝×51㎝です。全長に関してはウルトラライトマットのXSとほぼ同じです。これまでテント泊登山(無雪期)やキャンプで幾度となく全長130㎝のZライトソルを使用してきましたがマットが短いことで不都合を感じたことはありません。
登山用マットの長さは肩からお尻までの長さがあれば十分⁉
無雪期での利用を前提に携帯性を重視するならマットの長さは身長をカバーしている必要はありません。身長マイナス35㎝程度なら全く問題はありません。実際、SEA TO SUMMITにしろサーマレストにしろ登山用マットのメーカーは、肩からお尻までをカバーしていれば足りるという考えでショートモデルを生産しているワケですから…。
ソロ用のシングルウォールテントと好相性!
スモールサイズだからテント内での取り回しもラクラク♪雨天ならテント内で展開・収納することも可能です。
シートゥーサミット ウルトラライトマットの評判は?
シートゥーサミット ウルトラライトマットの実際に使用感についてレビューさせて頂きましたが、ワタシだけに意見では客観性に欠けるので同製品に対する口コミ・評判のなかから気になるレビューをいくつか紹介致します。
ポジティブな評判
期待通りのコンバクトな商品でした!夏休みの涸沢で使います!
楽天市場
他にも”最小で最軽”、”量最高の山岳マット”、”マットとしての快適性は問題なし” 等々、多くのユーザーがウルトラライトの使用感に満足しているようでした。
ネガティブな評判
購入者レビューの90%以上はポジティブな評価ですが、「2回使用しただけでパンクした」というネガティブな口コミも存在します。
2回の使用でパンクしたのなら耐久性に不満を抱くのも納得できます。ただ、ウルトラライトマットで数十泊して問題ないという人もいらっしゃるのも事実です。使用状況の詳細が分からないので何とも申しようがありませんが…。エアーマットである以上パンクの不安は常につきまといますね。
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