
グレゴリーのリュック スタウト60の良い点と残念な点についてレポートします。
スタウト60のライバルとなる同じグレゴリーのズール55、バルトロ65との比較・相違点や他社メーカーの60Lクラスのリュックもあわせて紹介。

- グレゴリー スタウトのレビュー情報を知りたい!
- グレゴリー スタウト60の良い点・悪い点は?
- スタウトとバルトロ、ズールとの違いは?
- 他社メーカーの60Lリュックのおすすめは?

- 価格:★★★☆☆
- 機能性:★★★☆☆
- 背負い心地:★★★★☆
- 満足度:★★★★☆
評価の詳細は本文で…
グレゴリー スタウト60 スペック・特徴
グレゴリー スタウトの現行ラインナップは35、45、60の3モデル展開です。

今回レビューするのはシリーズの中で一番大きいスタウト60になります。旧モデルでは65Lだったモデルは60Lにサイズダウンされています。

スペック詳細 容量・重量・背面長のサイズetc
グレゴリー スタウト60のスペックの詳細は以下の通りです。
- 容量:60L
- 重量:1610g
- 寸法:80H×33W×29.2Dcm
- 最大積載重量:22.7㎏
- 背面長サイズ:ワンサイズ(調整方式)
背面長のサイズ展開はワンサイズのみ
バルトロやズールなどとは異なり体型に応じたサイズ展開はなくワンサイズのみです。10㎝単位で背面長サイズを調整できる仕様になっています。ワンサイズで背面長調整方式の背負い心地については後程レビューで紹介します。( ⇒ スタウト60のサイズ感・背負い心地)
グレゴリースタウト60の特徴
グレゴリーのスタウト60の特徴は以下の通りです。

スタウト60は、数日間のトリップや食料の再補給が必要な長いトレイルにも対応できる収納力を持ち、体にフィットする様に調節できるので快適です。
グレゴリー公式
調節可能なバーサフィット・サスペンションと腰回りを包み込むヒップベルト、そしてアルミ製のウィッシュボーン・フレームが優れたフィット感と快適性を実現し、スムーズな歩行をサポートします。

テント泊登山やロングトレイルなどに適した汎用性が高く耐久性に優れた大型リュックになります。グレゴリーお得意のサスペンション機構と極厚のヒップベルトで身体への負担を軽減してくれます。
スタウト45 vs スタウト60 テント泊で使うならどっち?

テント泊登山での使用を前提とした場合、スタウト45とスタウト60のいずれを選択するかでお悩みの人も多いかと存じます。
初心者には容量に余裕のあるスタウト60がおすすめ
近年はテント、寝袋、マットなどテント泊装備の軽量・コンパクト化により容量45Lのスタウト45でも夏山の1~2泊程度のテント泊なら対応は可能です。ただし必要な装備を絞り込んだりパッキングにコツが必要となるので初心者には余裕のあるスタウト60がおすすめです。また積雪期のテント泊でも使用したいとなればなおさらスタウト60の方がおすすめです。
グレゴリー スタウト60【レビュー】買って良かった点&残念な点

グレゴリーのスタウト60を買って良かった点と残念に思った点のそれぞれについてレポート致します。
良いと思った点
- ワンサイズでも背面長・背負い心地に問題なし
- 同じサイズのバルトロよりも格段に軽い
- シンプルな2気室構造
ワンサイズでも背面長・背負い心地に問題なし
グレゴリーのスタウトは後で比較するズールやバルトロとは異なりサイズはワンサイズのみです。背面長(トルソー)を調整する機能があるので身体に合わせて背面長を調整して使用することになります。
ただ、背面長を調整できるといっても、身長2メートル近い大男も小柄な女性でも元のサイズは同じということなので背負い心地に不安を感じていました。
実際に背負ってみたところ、違和感なく快適に背負うことができました。ただし、6時間を超える長時間の山行では違和感を感じました(後述)。

ちなみに、ワタシの身長は163㎝、背面長は最小の位置にセッティングしています。
同じサイズのバルトロよりも格段に軽い
スタウト60の重量が1,610なのに対して、スタウト60と同容量のバルトロ65のSサイズ(60L)の重量は2140gです。両者の重量差は実に530ℊもあります。バルトロは背負うとリュックの重さを感じさせないというのは確かですが…。その点についてはスタウト60も一緒です。平置きで530ℊの差は無視できない重量です。(⇒ バルトロ65との比較詳細)
シンプルな2気室構造
他社製の大型リュックにあるようなサイドコンパートメントなど複雑な荷室構造になっていない。両サイドに縦長の荷室があるリュックを使い馴れていたので最初はシンプルな2気室構造に不満も覚えたが、パッキングの際に収納場所の選択で迷うことがないのでシンプルな2気室構造でも良いと思えるようになった。
▼グレゴリー スタウト60 在庫情報▼

残念に思った点
- ボトムコンパートメントの容量を調整できない
- ショルダーハーネスのループの位置が高過ぎる
- バルトロに比べるとフィッティングが劣る
ボトムコンパートメントの容量を調整できない

メインコンパートメントとボトムコンパートメントを分ける仕切りは取り外しは可能ですが、仕切りの位置を調整することはできません。
ちなみにボトムコンパートメントに2人用の山岳テント(ステラリッジ2)とエアマットを入れると一杯一杯になります。

ショルダーハーネスのループの位置が高過ぎる

ショルダーハーネスに取り付けてあるループは本来はハイドレーションの管を通すためのものですが、カメラポーチなどをショルダーハーネスに取り付ける際にも利用できます。
ただ、スタウト60に限ってはループの位置が高過ぎるのでポーチ類の取付けができない。ループにポーチを吊るすにはループの位置が胸の辺りにあるのが適切なのですが、スタウト60の場合はループが肩に近い位置にあります。ループの位置の問題は背面長を最小サイズにしていることが影響していると思われます。

【追記】ループの位置の問題はショルダーハーネスをカスタマイズすることで自己解決しました(↓画像)。

バルトロに比べるとフィッティングが劣る
短時間の使用では背負い心地に違和感を感じることはなかったのですが、6時間を超える登山で使用したところ腰回りに疲労を感じました。長時間の山行では同じグレゴリーのバルトロ(Sサイズ)と比べるとフィッティングが劣ることが判明しました。

上記の違和感・疲労の原因は背面長サイズがマッチしていなことが原因ではないかとか思われます。ワタシの体格では背面長をマックスまで短くしても若干長すぎるのではないかと考えています。
▼グレゴリー スタウト60 在庫情報▼

グレゴリー スタウト vs ズール、バルトロ
グレゴリーのスタウト60について語るうえで無視できないのが同じグレゴリーのリュック、ズールとバルトロです。特にスタウト60と容量の近いズール55とバルトロ65について、スタウト60と比較しながら相違点を浮き彫りにします。
スタウト60とズール55の違いは【相違点・比較】買うならどっち?

グレゴリーのスタウト60とズール55、容量的は60ℓと55ℓでともにテント泊登山に最適なサイズのリュックです。
スタウト60がワンサイズのみであるのに対してズール55の方は2サイズ(MD/LG、SM/MD)展開になります。スタウト60とズール55(MD/LG)の両者のスペックの比較は以下の通りです。
スタウト60とズール55 スペック比較
スタウト 60 | ズール 55(MD/LG) | |
容量 | 60L | 55L |
重量 | 1610g | 1640g |
寸法 | 80H×33W×29.2Dcm | 76.2H×33.7W×30.5Dcm |
最大積載量 | 22.7kg | 18kg |
サイズ展開 | ワンサイズ | MD/LG、SM/MD |
ズールの方が容量は5ℓ少なく寸法も小さめですが重量はスタウトよるも若干重たくなっています。また、ズールの方が最大積載量がスタウトより5㎏近く少ないのが気になります。
スタウト60とズール55 機能面の違いは?
スタウト60とズール55の機能面の主な違いは以下の2点にあります。
- フロート・サスペンションの採用
- フロントから荷室へのアクセスが可能

フロート・サスペンションの採用
スタウトが従来型のサスペンション機構を採用しているのに対してズールでは、フリー・フロート・サスペンションと呼ばれる新しいフロート型のサスペンションを採用。背面のメッシュパネルを浮かせることで通気性が著しく向上しています。
フロントパネルから荷室へのアクセスが可能
ズールはリュックのフロントパネルから荷室へアクセスできる仕様になっています。フロント開口部はU字式ジッパーで上から下まで開くので荷物の出し入れに便利です。スタウトにはフロント開口部はありません。
その他にもサングラス収納用クイックストウの有無やサイドポケットの素材などの違いもありますが、機能面で注目すべき相違は上記の2点になるかと思います。
スタウト vs バルトロ【相違点・比較】

続いてスタウト60とバルトロ65を比較してみます。バルトロ65にはS・M・Lの3つのサイズがあります。今回は容量がスタウト60と等しいバルトロ65のSサイズと比較します。
スタウト60とバルトロ65 スペック比較
スタウト 60 | バルトロ65(S) | |
容量 | 60L | 60L |
重量 | 1610g | 2140ℊ |
寸法 | 80H×33W×29.2Dcm | 不明 |
最大積載量 | 22.7kg | 22.7㎏ |
サイズ展開 | ワンサイズ | S、M、L |
既に指摘した通り容量は同じ60Lでありながら重量はバルトロの方が0.5㎏以上重たいです。
スタウト60とバルトロ65 機能面の違いは?
スタウト60とバルトロ65の機能面の重量な違いは以下の2点ではないでしょうか。
- 3サイズ展開+背面調整機能
- フロントから荷室へのアクセスが可能

3サイズ展開+背面調整機能
スタウトはワンサイズのみですが、バルトロはユーザーの体型に応じてS・M・Lの3サイズ展開になります。右の3サイズ展開に加えてユーザーの体型にあった「究極のフィット感」を実現するために各サイズでさらに背面長(トルソー)を細かく調整できる仕様になっています。
フロントから荷室へのアクセスが可能
バルトロはリュックのフロントパネルから荷室へアクセスできる仕様になっています。フロント開口部はU字式ジッパーで上から下まで開くので荷物の出し入れに便利です。スタウトにはフロント開口部はありません。
グレゴリー スタウト60 ライバル紹介
グレゴリー スタウト60のライバルとなり得る他のメーカーの60ℓクラスの代表的なリュックとしては以下のリュックを挙げることができます。
オスプレー イーサー60
グレゴリーと並ぶ米国を代表するバックパックメーカー オスプレーの大型パックのスタンダード イーサー!快適な背負い心地で長期縦走テント泊をサポートしてくれます。

ミレー サースフェー_SAAS FEE 50+15
ハイキングから本格縦走まで幅広い用途に対応するミレーのロングセラーバックパック。マックス65Lまで容量をアップできます。

カリマー CougarApex-G 60+
カリマーのテント泊・長期縦走向け大容量リュック。無段階で背面調整できるSA(サイズアジャスト)システムを搭載し、素早いフィッティングと安定感のある背負い心地を実現。マックス70ℓまで容量をアップできます。

まだまだある有名メーカー・ブランドの大型リュック

上記で紹介したメーカー・ブランドの他にもドイター、ミステリーランチ、モンベル、マムート、ノースフェイスなど有名メーカーのテント泊用リュックのおすすめを紹介。

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