御在所岳のバリエーションルートの一つ 本谷ルートを動画と画像で紹介。本谷ルートの登山口へのアクセス、本谷ルート(御在所山の家-不動滝-大黒滝-大黒岩)の地図、本谷での事故状況なども併せて紹介します。
こんにちは、海・山・川で遊ぶをテーマに登山やキャンプ・釣りなどのアウトドアに関するブログ【Wandering Life!】を運営しているflyderです。今回は、御在所岳のバリエーションルートの一つ 本谷ルートを画像で紹介。
御在所岳 本谷コースについて
『御在所の本谷コースってどこにあるの?』
本谷コースとは、御在所岳の一ノ谷本沢を登るルートで通称「本谷ルート」と呼ばれるバリエーションルートです。
御在所岳山頂への登山ルートとしては、表道、中登山道、一ノ谷新道、武平峠道などが有名ですが、本谷ルートは一般登山道とは異なるバリエーションルートゆえに一般の登山地図にはルートが表示されていません。
過去に死亡事故を含む何件もの事故が発生していて御在所岳の中では難易度の高い上級者向けのコースとされています。
本谷コースのルート地図
本谷コースにもいくつかバリエーションがありますが、今回紹介するのは不動滝、大黒滝を巻いて大黒岩まで登る最もポピュラーで安全なルートです。
中登山道(尾根道)と一ノ谷新道(尾根道)の間にある谷道(一ノ谷本沢)が本谷ルートです。
本谷の登山口から大黒岩までのコースタイムは約2時間程度(参考)です。
本谷コース登山口へのアクセス
鈴鹿スカイライン(国道477号)の御在所岳中登山道前の無料駐車場から本谷ルートの登山口までは徒歩で10分程度です。
ここの駐車場はシーズン中の休日には早い時間に満車になるのでなるべく早い時間に駐車スペースを確保する必要があります。
本谷-大黒岩-山上公園までルート紹介
それでは、御在所岳本谷の登山口から大黒岩、山上公園までのルートを画像で紹介します。
2022年夏 御在所岳 本谷ルートを登ってきました
2022年の初夏に御在所岳の本谷を登ってきました。ルートは御在所岳本谷(不動滝-大黒滝-ジョーズ岩)-大黒岩-山上公園-望湖台-国見峠-ハンバーガー岩-石門-国見岳-青岳-きのこ岩となります。
中道駐車場 – 本谷コース登山口
御在所岳の中登山道近くの無料駐車場から鈴鹿スカイラインを歩いて登ります。
駐車場から5分ぐらいで中登山道口に到着。
中道登山口にある登山届ポストに登山届を出します。
本谷コースを登るには、中道登山道とは反対側、登山ポスト奥の左手側にある鉄橋を渡ります。
鉄橋を渡って石段を登ります。
御在所 山の家
石段を上がりきると目の前には、現在は閉鎖されている御在所山の家があります。
御在所山の家の前を山側に進んでいくと、大きな岩に赤の塗料で『本谷コース』と書かれた道標が目につきます。
道標の方向に進むと、右手側に一ノ谷川が見えてきます。
ペイントマークに従って沢へ降ります。
沢へ降りると大きな堰堤が…。
堰堤とは反対側の樹林帯の中へ入っていきます。
本谷 – 不動滝
樹林を潜ると本格的な沢道になります。ここからが本谷ルートの開始です。
登り始めから10分ぐらいで小さな滝が現れます。
小さなな滝を超えるとはさらにナメ滝が連続する箇所に・・・。
登り始めゾーンにある小さな滝でも死亡事故が発生していると聞きます。
滑り安い箇所もあるので十分に注意が必要です。
本谷ルートは他の登山道と比べて人の往来が少ないのでサワガニやオニヤンマなど街でお目に掛かれない生き物に出会えます。
沢の登り始めから30分程度で不動滝に到着。
落差20m弱、滝のてっぺんに大きな岩が覆いかぶさっているのが不動滝です。
本谷ルートの登山口から不動滝までは沢伝いに登ればOK!特に迷う箇所も無いです。
ここ不動滝でも死亡事故が発生しています。
安全の為には滝の直登りは避けて巻道から登りましょう。
不動滝 – 大黒滝
不動滝の巻道は滝のビューポイントから10mほど手前の『左手側』にあります。
滝に近付きすぎると巻道の入り口をつい見逃してしまいます。
樹林に覆われた巻道を10分ほど歩くと再び沢の本筋に合流します。
1谷の本筋と合流後10分程で谷の中央に鎮座する大きな岩の上に…。ここから一ノ沢の本谷を見下ろすことができます。
この大きな岩のスグ先に最初の分岐があります(高度830m)。
ここの分岐は『右側』、倒木のある方向に進みます。
最初の分岐を30mほど進むとまた分岐が(標高860m地点)。この分岐も『右側』に進みます。
更に10分ほど登った先にも分岐が…。
ココの分岐は『左側』に進みます。
2又に分かれた谷を左手側に進みます。
左手側に進んだ谷の入り口には真新しいチェーンとロープがあれば、それが正規のルートです。
谷を詰めていくと進行方向に大きな一本杉が目に留まります。
この一本杉の右手奥にある滝が「大黒滝」になります。
この大黒滝でも死亡事故が発生していると聞きます。2022年6月には、大黒滝付近で愛知県の男性会社員(48)が登山道から十数メートル下の岩場に滑落して防災ヘリで病院に運ばれる事故が発生しました。
大黒滝 – シャーク岩 – 大黒岩
大黒滝をやり過ごして20mほど先に進むと、ペイントで右方向を示す矢印が描かれた岩を目にすることができます。
ペイントは消えかけているので見逃さないよう注意して下さい。
矢印の示す方向に従い、細い掘割り状の斜面を登ります。
掘割状の斜面を登りきると今度はロープでの急登り。
その先は笹薮に囲まれたゾーンに突入。
この先もロープ、ワイヤーでの急登箇所が続きます。
ワイヤーが張られた岩を超えて谷を詰めていくと進行方向にサメの頭の形に似た大きな岩が現れます。
この岩が通称「シャーク岩」あるいは「ジョーズ岩」と呼ばれている有名な岩です。
岩の下を潜って通過することもできます。
コチラ↓がシャーク岩の出口になります。
ちなみに、私は一度もシャーク岩の下を潜ったことがないです。潜りたいとも思いません。
シャーク岩から先はゴロ岩で埋め尽くられた谷をひたすら詰めていきます。
身長を超える岩壁がある箇所も…。
岩登りの基礎を身に着けるには絶好のコースではないでしょうか。
視界の先に御在所ロープウェイの山上公園駅の駅舎が見えたらゴールは近いです。
高度1100m近くの地点で左手側の崖からロープが垂れ下がっているのが目に入る筈です。
このロープ伝いに崖をよじ登ります。
崖を登りきると大黒岩の方向を示す看板標識があります。
標識に従い左手側に10mほど進むと大黒岩に到着!
御在所岳 大黒岩
この大黒岩は御在所岳有数のビューポイントの一つです。
大黒岩の先まで進むと絶景を楽しめます。
眼下の下には四日市の街と伊勢湾が広がっています。
南西方向には鎌ヶ岳を眺めることができます。
↓は一ノ谷新道から見た大黒岩。
こちら↓は中道の富士見岩から見た大黒岩。
大黒岩 – 山上公園
大黒岩から山上公園に行くには、一ノ谷新道を経由します。
大黒岩から来た道を引き返し、さらにその先に進むと一ノ谷新道の方向を示す標識があります。
標識に従って左手側に進むと一ノ谷新道に合流。
大黒岩から10分程歩けば山上公園に到着します。
山上公園の先が一等三角点になります。
以上で御在所岳 本谷ルートの案内は終わりです。
御在所 本谷ルートを登る際の注意点
御在所岳の本谷ルートは、バリエーションルートだけに一般の登山道のように整備が行き届いていません。距離は短いとはいえ、谷は深く急登箇所もいくつかあるのでそれなりの体力が必要です。
岩場においては、大きな岩が不規則に並び、岩の端が切れ落ちているところも多いです。そなな場所でバランスを崩せば大きな事故に繋がる危険性は大です。それだけに、ちゃんとした装備を整えて登りましょう。落石の恐れもあるのでへルメットも着用した方がよいでしょう。
雨が降れば岩は滑りやすくなります。雨後に本谷ルートを登って岩から滑り落ちて亡くなられた人もいます。天気が不安定な日や雨後に登るのは避けた方が無難です。
また、道迷いにも注意が必要です。間違ったルートを進むと、引くに引き返すことができなくなる箇所もあります。それだけに、先に紹介した分岐の箇所で進むべき方向をしっかりと頭に入れておくことが必要です。
ヤマビルに注意
6月~9月頃にはヤマビルに注意する必要があります。沢や岩場では比較的に少ないですが土や枯れ葉で覆われた場所に足を踏み入れる速攻でヤマビルに取り付かれます。上記の期間には本谷を登るのであればヤマビル忌避剤を使用することをおすすめします。
動画で見る御在所岳本谷の登り方
御在所岳 中登山道口から本谷ルートで大黒岩まで登った際の動画(スライドショー)をyoutubeにアップしたので御覧頂ければ幸いです。
冬季積雪の本谷-大黒岩バリエーションルートを登る
元日に御在所岳のバリエーションルート、一ノ谷本谷ルートを登ってきました。積雪期の本谷は夏以上に危険を伴うのでそれなりの経験と装備が必要になります。
御在所岳 本谷での事故
大黒岩の入り口には、大黒岩で亡くなられた方を悼む遭難碑が設置してあります。
この事故以後にも、不動滝、大黒滝、その他の滝での死亡事故等々…。多数の方が本谷でお亡くなりになったと伝え聞きます。
最近では、落石により指を切断する事故もあったと聞きます。
上の遭難碑には『きみのおもいでは、われわれのいましめ』との文句が刻まれています。
本谷ルートを登られる人が、注意を怠ることなく安全登山を心がけること願います。
以上、今回は御在所岳のバリエーションルートである本谷ルートについて紹介させて頂きました。
(テキスト・編集人 flyder)
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