2018年の10月中旬の某日、南アルプスを代表する甲斐駒ヶ岳に登ってきました。
登山ルートは北沢峠テント場から双児山を経由、直登コースで甲斐駒ヶ岳山頂へ登るルートです。
甲斐駒ヶ岳の日帰り登山の模様、直登ルートの難易度等についてレポートします。
朝8時に北沢峠を出発、午前11時55分に登頂、15時30分北沢峠長衛小屋のテント場着。
甲斐駒ヶ岳の登山ルートについて
北沢峠から甲斐駒ヶ岳に登るには、双児山を経由するルートと仙水峠を経由するルートの2つがあります。どちらのコースから登るにしろ八合目の六方石の先が直登コースと迂回コースの分岐点となります。
甲斐駒ヶ岳直登ルート詳細
今回私が昇ったルートと時間についてはヤマレコの山行記録を参考にして下さい。
仙流荘から登山バスで北沢峠へ
甲斐駒ヶ岳の日帰り登山で最もポピュラーなコースが北沢峠の登山口から山頂を目指すコースです。
北沢峠の登山口までの道路はマイカー規制されているので北沢峠に行くには登山バスを利用する必要があります。
南アルプス林道バスの乗り場がある仙流荘まではマイカーで行けます。
この日は午前3時頃に仙流荘に到着。無料駐車場で朝4時過ぎまで仮眠。
午前5時30分の始発バスに乗車。
約1時間程度で北沢峠(標高2000m)に到着(午前6時30頃)。
北沢峠バスの停留場には立派な駅舎があり、清潔なトイレも完備されています。
甲斐駒ヶ岳の登山道(双児山経由)では山頂までトイレがないので、ここで用を足しておくのがおススメです。
北沢長衛小屋テント場から北沢峠登山口
今回の山行は1泊2日のテント泊で1日目に甲斐駒ヶ岳、2日目に仙丈ヶ岳に登る予定です。
そのため、先ずはテント場のある長衛小屋を目指します。
北沢峠のバス停から長衛小屋までは歩いて10分程度。
小屋で幕営の申し込みを済ませてテントを張ります。ちなみにテント場の料金は一泊500円です。
バスの停留所からテント場まで距離が近いことから今回は山岳テントのステラリッジではなく、より居住性の高いダンロップのツーリングテントを使用しました。
この日は連休中(最終日)ということもありテント場は大入り状態でした。
テントを張り終え、朝食を済ませます。
午前8時にテント場を後にして北沢峠の甲斐駒ヶ岳登山口に向かいます。
甲斐駒ヶ岳登山口から双児山
北沢峠から甲斐駒ヶ岳に登る場合、双児山を経由するコースと仙水峠を経由するコースの2つのコースがあります。
双児山を経由するコースの登山口はバス停のスグ脇にあります。登山口にある標識には甲斐駒ヶ岳山頂まで250分と表記されています。
午前8時過ぎに登山口から双児山に向けて出発!
双児山までは樹林帯の中つづら折りの登山道が続きます。
登りはじめから約1時間30分経過した午前9時30分、四合目にあたる双児山に到着。
双児山からは青空の下に甲斐駒ヶ岳がクッキリと見えます。
北沢峠の標高が2000mであるのに対して双児山の標高は2649m。ここからは高山病が心配される標高です。
双児山から次の目標点となる六合目 駒津峰を目指します。
双児山から駒津峰までは脇にハイマツの生い茂るガレ場が続きます。
六合目 駒津峰 – 八合目 六方石
ハイマツの高さは高いところで50㎝程度。視界を遮る樹木がないので気分よく歩けます。
10時15分に6合目の駒津峰に到着。
天気が良ければここ駒津峰からは仙丈ヶ岳、富士山を一望できるのですが…。
朝方は真っ青な空が広がっていたのですが、時間の経過と共に低い位置に雲が立ち込んできて残念ながら富士山は拝めず。
駒津峰から先の登山道は、それまでとは一変して痩せ尾根の岩稜帯が続きます。
アップダウン等変化に富んでいるので楽しめます。
痩せ尾根を抜けると巨大な岩石が横たわる六方石(八合目)に到着。
この六方石の先に、甲斐駒ヶ岳の山頂へ直登コースと巻き道との分岐点があります。
六方石から直登コースで山頂へ
八合目の六方石を通過するとスグに直登コースと巻道との分岐点に出会います。
左手方向に行くと直登コース、右手方向に行くと巻き道コースです。
周囲の登山客の様子を伺っていると、直登コースに進む人はほぼ皆無。
直登コースに対して事前の情報を仕入れていなかったので、ちょっと迷いましたが・・。
男は黙って「直登!」ということで直登コースを選択。
甲斐駒ヶ岳山頂への直登コースに入ると進行方向を示すマーキングが頻繁に出現します。
マーキングを見落とさないように注意して進みます。
小まめにマーキングが描かれているのは正規のルートを外すと危険性が高いことの証です。素直にマーキングの従いましょう。
四肢を使って大きな岩を乗り越えて進むとやがて直登コースの稜線に出ます。
視界を遮るモノがない稜線伝いに甲斐駒ヶ岳山頂を目指します。
岩稜を通過する際には基本の3点確保を忠実に実践。
痩せたリッジラインを通過すると雰囲気は一変してザレ場に・・・。
ここは地盤が緩く浮石も多いので落石に注意しましょう。
甲斐駒ヶ岳の白い山肌の正体は、ここら一帯に転がる巨大な花崗岩だったのですね。
白くて大きな花崗岩が転がる地帯を登っていくと四角の形をした岩の上に小銭が置かれていました。
ここを通過する登山者が安全を祈念して置いていくのでしょう。
小銭が置かれた岩のモニュメントを通過すると目の目に花崗岩が複雑に入り組んだ光景が広がります。
花崗岩の先には青い空と白く漂うガスが入り乱れ、どこかSF映画の舞台を想起させます。
GPSをチェックすると標高は既に2900mをオーバー。甲斐駒ヶ岳の頂上はもうスグそこです。
甲斐駒ヶ岳 山頂
11時55分、標高2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に到着!
北沢峠のテント場を出発したのが8時、それからほぼ4時間。ほぼ標準的なコースタイム通りでした。
山頂にある大岩、甲斐駒ヶ岳山頂で一番高い所に登って山頂の様子を俯瞰。
上空には青い空が広がっているのですが、山頂付近はガスに覆われ、見えるのは雲海のみ。
甲斐駒ヶ岳山頂から北方向に進むと鋸岳に続くルートが。。。
但しこの先に進むには、ザイル、ハーネス、ヘルメット等の装備が必要との注意書き。
この日は休日ということもあって山頂は結構な数の登山客で賑わっていました。
ただ、帰りのバスの運行時刻の関係でしょうか、午後13:00頃になると山頂はガラガラ状態。
人気が少なくなった頃を見計らい、百名山登山では恒例の日の丸を掲揚。
ミッション・コンプリート!
甲斐駒ヶ岳山頂から巻き道 – 仙水峠経由で下山
甲斐駒ヶ岳の山頂で昼食をとって1時間ほど過ごしたあと、13時過ぎより下山開始。
下山は登りとは異なって巻き道を使います。駒津峰からは仙水峠経由のルートでテント場のある北沢峠を目指します。
下り最速!!下山開始から約2時間半後の15時30に北沢峠のテント場に戻ってきました。
この日はテントで一泊、翌日は仙丈ヶ岳に登りました。
甲斐駒ヶ岳登山 直登コースの難易度は?
北沢峠から甲斐駒ヶ岳山頂(直登コース)の難易度について言及したいと思います。
私が持参した甲斐駒ヶ岳の登山マップ(伊那市観光協会 公式ホームページに掲載)には、「直登コースは岩場が多いので慎重に行動する」ようにとの注意書きがあります。
一方の巻き道コースには、「初心者はこちらを通る方がよい」と記載があります。
実際に直登コースを登ってみた感想は、まさに上に書いてある注意書き通りというのが素直な感想です。
昭文社の登山地図では、直登コースのルートが危険を示す破線で表示されているようですが、ちゃんと3点支持さえ履行すれば特に危険と感じる箇所はありませんでした。
ヘルメットは無いより有るに越したことはありませんが、ハーネスやスリングは不要です。
一番注意すべき点は、稜線に出るまでの取り付きの箇所ではないでしょうか。
稜線に出ればルートはハッキリしていますが、稜線に出るまでは岩が複雑に入り組んでルートがはっきりしない箇所があります。
本文でも書いた通りルートを示すマーキングを見落とさないように注意しましょう。
▼甲斐駒ヶ岳登山動画▼
北沢峠から甲斐駒ヶ岳山頂まで登山の様子を動画に収めました。百聞は一見に如かず!動画で直登ルートの様子を確認してみて下さい。
甲斐駒ヶ岳登山の服装と装備
今回の駒ヶ岳登山で使用した服装と装備は以下の通りです。
ウェア類
トップスは、amazonで購入したコンプレッションシャツをベースレイヤーにしてその上から速乾性Tシャツを重ね着。防寒用にアウターレイヤーとして薄手のパーカー用意。
ボトムスはロングのトレッキングパンツ1枚のみ。
靴は低山用のトレッキングシューズ(モンベルのツオロミーブーツ)
装備
ドイターの30Lザック、flyderオリジナル登山用ベルト、チェストバッグ、昼食、アルコールストーブセット、飲料水2L、ファーストエイドキット、カメラ、携帯、帽子、雨具、GPS(ガーミン)、その他。
▼登山用品特集▼
甲斐駒ヶ岳の天気
山の天気は平地とは異なります。甲斐駒ヶ岳麓の長谷村や近くの伊那市が晴れでも山の上の天気は晴れとは限りません。
甲斐駒ヶ岳の標高2,966m。秋冬シーズンはもちろん夏でも荒天に遭遇すれば遭難する危険があります。
甲斐駒ヶ岳に登るなら山の天気予報で当日の天候を確認しておきましょう。
(テキスト・編集人 flyder)
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