誰でもどんな分野でも一流になれるって本当?
【評価】★★☆☆☆
今回はアマゾンのビジネス・経済書のランキングで1位にも輝いた『やり抜く力 GRIT(グリット)―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(ダイヤモンド社)をレビューします。
著者はアンジェラ・ダックワースという中国系のアメリカ人の心理学者で、翻訳者はベストセラーとなった「スタンフォードの自分を変える教室」の訳者でもある神埼郎子さんです。
- 誰でもどんな分野でも一流になれる最強・最速のメソッド
- 誰もが傑出した人材になれる方法がついに分かった!
等々、帯びには誇大広告と思えるキャッチコピーが並んでいます。
果たして、この本を読んで、本に書いてある内容を実践することで「誰でも一流になれる」のでしょうか?
結論:なれません!!
この本で「誰でも一流になれる」といっているのはあくまで可能性の話、「子供には無限の可能性があります」的な話と同じレベルのお話しです。
『やり抜く力GRIT』の内容は…?
本書の内容・要旨をは以下の通りです。
■才能だけでは成功できない。
■才能よりも重要なのは、「やり抜く力」すなわち目的遂行に対する「情熱」とどんなことがあっても諦めない「粘り強さ」である。
■「やり抜く力」は、遺伝にも左右されるが、それは意図的に伸ばすこともできる。
■「やり抜く力」を伸ばすには、自分自身により「内側から伸ばす方法」と親や教師など他人の力を借り「外側から伸ばす方法」がある。
一般の人が一番関心を示すのはやはり「やり抜く力」を伸ばす方法でしょう。
やり抜く力を伸ばす方法
どうやったら、目標を達成するために必要な「やり抜く力」を伸ばすことができるのか?ということです。
この点につき、著者は「興味を掘り下げる」「自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする練習を習慣化する」などの方法を提唱しています。
ただ、いずれの方法についても平坦で説明的な記述が多く、具体的な実践方法については不十分という印象は否定できません。
「興味を掘り下げる」という点ではブレインダンプ、「スキルを上達させるための練習」についてはPDCAやカイゼンなどのメソッドについて学ぶ方が実践的で速効性があることでしょう。
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感想
本書は、心理学的な見地から成功するために必要な条件を示した本ですが、成功哲学や自己啓発系の本を一通り読んだことがあるひとなら、特に真新しい発見はないと思います。
数年以内に年収を倍にしたいとか、会社での営業成績でトップになりたいとか、短期的な成功を目的としている人にはおススメできません。
「誰でもどんな分野でも一流になれる最強・最速のメソッド!」
などという宣伝文句に騙されないでくださいね。
本書は短期的な成功のために速効性のあるメソッド提唱する本ではありません。
むしろ、子供をプロ野球選手にしたいとか、一流のピアニストにしたいと願う親の知識欲を満たすための本だと思って下さい。
もちろん、本書を読んだところでプロ野球選手や一流のピアニストになれるわけではありませんが・・・。
心理学見地から成功法則を説いた本としては、本書よりも『幸福優位7つの法則 ~仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』の方が断然おススメできます。
『やり抜く力 GRIT』の口コミ・レビュー紹介
一般の読者さんは、今回紹介した『やり抜く力 GRIT』を読んで、どんな感想を持ったのでしょうか。
『やり抜く力』の口コミ・レビューの中から管理人が気になったレビューをいくつか紹介致します。
タイトルの通り「成功のためにはやり抜く力(グリット)が重要だよ」という内容なのですが、ただの根性論ではなく、成功や達成のためにどう努力すればいいのか?も方法論やエピソードとともに語られるので、すでに努力家の皆さんにも参考になると思います。
今の状況や自分を変える、なんらかの手がかりがあるのでは、という気持ちで読むと裏切られると思います。
継続する力が大切なのは何度も訴えられるのだけれど、そのメッセージ自体になんら新規性はなく、ああ、そうだよね。という印象。
その上で、それを身につけるための手法について知りたいと思うと、そこはなんだかはっきりしない。素質が重要で、素質が無い人は継続を身につけるための努力を継続をしなさいという話になりますからね。
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